睡眠関連ホルモン まとめ

2021年5月24日

今回は睡眠に関係する大切な
3つのホルモンについてまとめていきます。

薬剤師のあなたなら知っているホルモンばかりだと思いますが、
それぞれのホルモンが睡眠に与える影響についてもお伝えしたいと思います。

成長ホルモン

成長ホルモンとは?

このブログを読んで頂いている方には釈迦に説法かもしれませんが、

成長ホルモンとは脳下垂体前葉から分泌されて
タンパク質の合成を促進するホルモンです。

体の成長や修復、疲労回復に重要な役割を果たしているホルモンで
子供においては身長を伸ばす作用などで成長に欠かせないホルモンとなっております。

「寝る子は育つ」
という言葉はこのホルモンが大きく影響していると考えられますね。

成長ホルモンの睡眠への影響

睡眠中の成長ホルモンの特徴としては

寝はじめの第1睡眠周期の徐波睡眠中(深いノンレム睡眠)
に分泌量が最大
となっております。

この成長ホルモンが多く分泌されている時に

・子供では体の発育が

・大人では細胞の修復・疲労回復がなされています。

 

この成長ホルモンの効果が
「寝はじめの90分は重要」という理由となります。


メラトニン

メラトニンとは?

メラトニンは松果体より分泌される脳内ホルモンで、

トリプトファンからセロトニンを経て合成されるホルモンです。


メラトニンは直接的に睡眠作用を持つほか、
概日リズム(体内時計)に深く関係し、深部体温を低くする作用があります。

また、
メラトニンは睡眠・覚醒リズムの調節に重要な役割をしています。

メラトニンの睡眠への影響

メラトニンと言えば薬剤師の皆さんは反射的に

  • ロゼレム
  • メラトベル

という医薬品が頭に浮かぶのではないでしょうか?

メラトニンに関しては今更だとは思いますが、確認の意味も込めて解説していきます。

メラトニンは日中には分泌されず、夜間に分泌されるホルモンです。

(ちなみにメラトニンは脳内において
 トリプトファン→セロトニン→メラトニンの順に合成され

元となるトリプトファンは
体内で生成できないため食事からとる必要があります
。)

 

メラトニンは、普段の入眠時刻の1〜2時間前から分泌が始まり
徐々に増加していきます。

そして、最低体温の1〜2時間前が最大となり、
その後減少して朝を迎えます。

もう少し付け加えますと
メラトニンは朝に光を浴びた14〜16時間後くらいから分泌されます。

また、暗い環境下で分泌されるホルモンとなっております。


よって、
しっかりメラトニンを分泌させようと思うなら

  • 朝にメラトニンの元となるトリプトファンを含む朝食をとる
  • 朝起きて2時間以内に外の光を浴びる
  • 夜は明るい環境やスマホなどのブルーライトは避ける

以上3つの事が大切になってきます。

夜眠れないと困っている患者さんには
メラトニンの観点から上の3点を確認していただいてもいいかと思います。

ちなみにトリプトファン が多く含まれている食品としては
大豆製品、乳製品、卵、ナッツ類、バナナなどがあります。

個人的に患者さんへオススメする食べ物としては
以下のものをオススメしたいと思います。

 

朝時間がない方:牛乳やバナナならすぐに食べられて紹介しやすいのではないかと思います。

時間にゆとりのある方:バランスの取れた食事をオススメしましょう。
(納豆、お米、味噌汁、焼鮭など)

 



コルチゾール

コルチゾールとは?

もうここまできたので
コルチゾールについても簡単に説明しますね。

コルチゾールは副腎皮質から分泌されるホルモンで、
血糖値の上昇や抗炎症作用があります。

ストレスの指標としても用いられるホルモンとなっております。

コルチゾールの睡眠への影響

では次に
睡眠中のコルチゾールの動きについてですが、

コルチゾールの分泌量は睡眠の開始時点では1日の中で最低ですが、
睡眠中に徐々に増えていき、起床前後で最大となります。

コルチゾール量の増大によって血糖値が十分上昇すると、
朝すみやかに活動する事ができます。

この効果から天然の目覚まし時計のような役割を果たします。

このことから、
ストレスを日々抱えており副腎が疲弊している方は
コルチゾールが上昇しづらく、朝の目覚めが悪くなる原因ともなっております。

まとめ

・睡眠前半に分泌される体の成長や疲労回復の役割をする成長ホルモン

・夜間に分泌される睡眠ホルモンのメラトニン

・早朝に分泌されて目覚めにも関係しているコルチゾール

全体のホルモンの流れとしては以下の図のようになります。

この流れを分かっていると

  • 寝はじめの3時間が睡眠にとって重要な理由

  • 夜メラトニンをしっかり分泌させるために何が必要か

  • 朝の目覚めが悪い原因の一つにコルチゾールが関係している可能性がある

という事が睡眠関連ホルモンと一緒に学べると思います。

睡眠相談を受けるかもしれない薬剤師のあなたは
ぜひぜひホルモンについても学んで患者さん指導に活かして頂ければと思います。