患者さんと睡眠改善を一緒に考える「生活リズム健康法」について

以前の記事で
睡眠日誌や睡眠の評価方法についてご紹介させて頂きました。

これらの方法で患者さんの睡眠状態について知る事ができたかと思います。

薬剤師でも簡単にできる睡眠の評価方法
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しかし、
どのようにして睡眠改善アドバイスをしていけば良いのか
分からないという方のために

今回は
患者さんと一緒に考える「生活リズム健康法」
についてご紹介して行きたいと思います。


生活リズム健康法とは?

今回紹介する
生活リズム健康法(睡眠の自己調節法)は
生活に取り込む事で睡眠・生活リズム改善に重要なツールとなります。

しかも
日常生活の中で実践できるような簡便な形で表現しているので
誰でも実践する事ができます

さらに
多様なライフスタイルに対応できる形で記載されているので
どんな人にも紹介しやすくなっております。

では実際にどのような事が書かれているか見ていきましょう。

用いる資料

こちらが社会人用の生活リズム健康法の項目一覧です。

生活リズム健康法の項目は
生活スタイルを見直すための4つのポイントに基づいて作られています。


  • サーカディアン(概日)リズムを規則正しく保つ
  • 日中や就床前の過ごし方を見直す
  • 睡眠の環境を整える
  • 就床前のリラックスと睡眠への脳の準備

大きく分けると上記の4つに分けられます。

この事をわかっていると指導する方としても

患者さんがどのポイントが得意で
どのポイントが苦手なのかをすぐに判断できる事でしょう。

こちらは社会人用ですが、
それ以外にも小中高生用や高齢者用のものもあります。

また今後アップしていきたいと思います。

生活リズム健康法のポイントは?

できそうなもの3つを選んでもらう

生活リズム健康法での一つ目のポイントは
私たち薬剤師が患者さんにやる事を選んでもらうことです。

例えば
お酒をやめる気のない人に
「寝酒はやめましょう」と話しても

「はいはい、分かったよ」と心の中で思いつつ
悪い習慣は変わらないでしょう。

それよりは
「どの習慣ならできそうですか?」
と選んでもらう事で患者さんの自主性が生まれ
習慣を変えてくれる可能性がかなりアップします。

そして、
生活リズム健康法の中で
できそうなものを3つ選んでもらうのですが、

それを選ぶポイントとしては
△(頑張れば出来そうなこと)の中から選んでもらう事です。


先ほどの例でもお話ししましたが、
21. 寝る目的での飲酒を避ける

こちらを(×)としているのに無理に変化させることは
高い確率で出来ないでしょう。

それよりは小さな事でもできそうな習慣の変化を通して
成功体験を積む事が大切です。


このような理由から
△を3つ選んで 2週間〜1ヶ月 週3回くらいの目標で実践してもらいましょう。


もし△が3つもなければ1つでも2つでもOKです!

さらに△が1つもなければ、
無理やり×のものを変えるのではなく、

○の中からもっと頑張ってみようと思うものを選んでもらう方が
患者さんのやる気アップに効果的です。

まとめると

 

・△をつけた項目から3つ程度患者さんに選んでもらう

・毎日でなく週3回とかでOK

・2週間〜1ヶ月継続してもらう

 

完璧を求めず、
少しずつの変化・成功体験を積んでもらいましょう。

認知行動療法を上手に使う

先ほどのできそうなものを3つ選んでもらう事も
認知行動療法の一つのテクニックとなります。

認知行動療法は
今までの人生で身についた習慣(クセ)を見直して
よく眠れる習慣を身につけていく事が基本の考えとなります。

そのための方法としては

  • 現状に気づく
  • 良い睡眠習慣、悪い睡眠習慣を知る
  • 良い習慣を取り入れて続ける
  • ゴールを設定する

などがあります。

習慣を変えるための声かけや提案方法も以前の記事で書いておりますので
興味のある方はぜひ読んで下さい。

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まとめ

いかがでしたでしょうか?

今まで睡眠改善のアドバイスを伝えても
あまり実践されなかったという事があったかと思います。

それは、
患者さんがすでにできている事をアドバイスしている場合や、
「それは出来ないな」と思っている事をアドバイスした場合、

次お会いした時に何も変わっていないという状況になります。

しかし、
この生活リズム健康法を使えば、
患者さんは変える事ができそうな習慣を自分で選びますので
自分事となり行動を変えてくれる確率が上がります。

眠れないと訴える患者さんには
ぜひ一度このアンケートに答えて頂きたいと思います。

また、生活リズム健康法にプラスして
アテネ不眠尺度などの睡眠評価も一緒にしてもらう事で
より患者さんの現状が分かると思います。

ぜひ一緒にこたえてもらいましょう。

薬剤師でも簡単にできる睡眠の評価方法
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そして、
薬剤師の皆様には習慣を変えるよう患者さんへ声がけをしてもらえればと思います。